会社の顔、エントランスに新たな一手

オフィスは企業の心臓部であり、そのエントランスは企業の顔とも言えます。クライアントや訪問者が最初に接触する場所、それがエントランスです。そのため、そのデザインは会社のイメージを大きく左右します。本記事では、どのようにエントランスをデザインすればより効果的に企業イメージを伝えられるのかについて考察します。

1.エントランスデザインの重要性：第一印象が全てを決める

エントランスは、会社の第一印象を作る場所です。訪問者がどのような印象を持つか、その多くはエントランスのデザインによって左右されます。そのため、エントランスデザインは、企業イメージを形成する重要な要素となります。

エントランスデザインにおける重要な要素：企業イメージの具現化

エントランスデザインは、企業イメージを具現化するための重要なツールです。ここで使用する色、形、素材などは、訪問者に対して企業の価値観やビジョンを直接伝えるためのメッセージとなります。そのため、エントランスデザインを考える際には、企業の価値観やビジョンを具体的に表現することが求められます。

2.スペースの活用：エントランスの広さに一律の基準はない

エントランスの広さには一律の基準はありません。企業のニーズやビジョンにより異なります。ただし、エントランスのデザインにおいては、スペースを効果的に活用することが重要です。例えば、広さが限られている場合でも、照明やカラースキームを工夫することで、広く開放的な印象を与えることが可能です。

3.素材と色の選択：品質と仕上げがキー

エントランスデザインにおいて、素材の選択は重要な要素です。予算の範囲内で最高品質の素材を使用することで、エントランスの見た目と感じる印象を大きく左右します。また、使用する色も企業のブランドイメージを伝える大切な要素です。

もちろん、物理的な空間はあくまでエントランスデザインの一部です。他にも、様々な要素がエントランスの印象を形成します。例えば、受付の接客態度やサイン計画、室内の芳香やBGMなど、五感に訴えかける演出が可能です。受付の人員は親切丁寧な対応を心掛け、訪問者に安心感を与えるようにしましょう。サイン計画については、一見すると当たり前のように思えますが、実際には深い考えが必要です。例えば、会社のロゴや社名、所在地を示す看板は、誰が見ても一目で理解できるようなシンプルなデザインが求められます。また、トイレやエレベーター、非常口への案内も、訪問者が迷わないように、分かりやすく明示することが大切です。

芳香やBGMは、エントランスの雰囲気を大きく左右する要素です。ここでは、訪問者が心地よく感じる香りや音楽を選び、なおかつ企業イメージに合ったものを選ぶことが重要です。例えば、リラクゼーションを提供するビジネスであれば、リラックスできる香りや音楽を選びましょう。一方、クリエイティブなビジネスであれば、刺激的な香りや音楽を選ぶと良いでしょう。

エントランスデザインは、単に物理的な空間をデザインするだけではなく、訪問者の五感に訴えかけ、企業イメージを強く印象付けるための重要なツールです。訪問者がエントランスを通過する短い時間で、企業の価値観やビジョン、カルチャーを体験できるように工夫することで、訪問者にとって忘れられない印象を残し、その結果、企業のブランド価値を高めることができます。

そして、オフィスデザインの一部であるエントランスが、社員の士気やモチベーションにも影響を与えることを忘れてはなりません。毎日通過する場所であるエントランスが明るく開放的であれば、社員の一日の始まりを明るくスタートさせることができます。また、エントランスはお客様や取引先との初めての接点でもあります。そのため、エントランスが清潔で、整った環境であれば、社員は自分たちの会社に誇りを持つことができ、それがモチベーションの向上につながります。

一方で、エントランスデザインに際しては、会社の事業内容やブランドイメージ、目指すカルチャーなどに応じて最適なデザインを考えることが大切です。例えば、創造性を重視する企業であれば、エントランスにアート作品を展示するなどして、訪問者や社員に刺激を与えるようなデザインが求められます。また、持続可能な環境を目指す企業であれば、エコフレンドリーな素材を用いる、エネルギー効率の高い照明を選ぶ、植物を活用したデザインを取り入れるなど、サステナビリティを体現するデザインが適しています。

その他にも、エントランスは会社の安全性を確保する重要な場所でもあります。セキュリティチェックの設置、消防設備の整備など、エントランスデザインには会社の安全対策も含まれます。訪問者が安心して会社を訪れることができ、社員が安心して働ける環境を作るためにも、セキュリティと安全対策は重要な視点となります。

エントランスデザインは、企業の顔とも言える重要な要素です。訪問者が初めて会社を訪れたときに感じる印象、社員が毎日通過する場所としての機能、さらにはセキュリティやサステナビリティといった視点からも、エントランスデザインは多角的に考えるべき課題です。そのため、エントランスデザインには、設計者だけでなく、経営陣や社員、さらには訪問者の意見を反映させることで、企業の個性と価値を最大限に引き出すことができます。